アジア初進出の「エースホテル」京都市中京区の複合施設「新風館」内に2020年4月開業
NTT都市開発株式会社が京都市中京区で開発を進める複合施設『新風館』が2020年4月16日にグランドオープンすることが決定し、同日、施設内に「エースホテル京都」が開業することが分かった。ニューヨークに本社を置く『エースホテル(Ace Hotel)』は日本そしてアジア初進出となる。2018年4月に『エースホテル』とホテル運営委託契約を締結したことを発表しており、ホテルの経営はNTT都市開発の子会社・UDホスピタリティマネジメント株式会社が担う。
複合施設『新風館』は、NTT都市開発が進める「新風館再開発計画」によるものだ。歴史的建築物である旧京都中央電話局を一部保存・改修すると同時に、2001年に開業した「新風館」の施設名称および「“伝統”と“革新”の融合」というこれまでのコンセプトを承継し、新たな付加価値を取り入れながら開発している。計画の核となる「エースホテル京都」をはじめ、ミニシアター「アップリンク京都」、関西初出店や新業態の店舗を含む商業ゾーンからなる『新風館』は、京都の地に新風を吹き込み、旅行者や地域の人々の交流拠点となることで街に一層の賑わいをもたらすという。
同施設は、日本を代表する建築家・隈研吾氏と、『エースホテル』の長年のパートナーでLAを拠点とする「コミューンデザイン」とのコラボレーションによりデザインされた。外装は隈研吾氏が担当し、烏丸通に面する旧京都中央電話局の一部を再生利活用した「保存棟」(地下2階~地上3階)と、東洞院通に面した「新築棟」(地下2階~地上7階)により構成される。
「保存棟」は地上1階がショップ&レストラン、地上2~3階は「エースホテル京都」となる。「新築棟」は地下1階が「アップリンク京都」、地上1階がショップ&レストラン、地上1階の一部および地上2~7階が「エースホテル京都」となる。地下2階は新たに京都市交通局烏丸御池駅5番出口と直結し、地下鉄利用者の利便性向上を図る。
「エースホテル京都」は、「常に新しい発想を育み、一方で昔ながらの教えが尊重される」独創的な世界有数の都市・京都で、アイデアにあふれる文化的ビジョンを持つ人々と、歴史や文化を誇る京都の街を共鳴させ、街の未来に貢献できるような施設でありたいと考えている。革新的な人々、新しい経済の担い手達、クリエイティブな業界に積極的に携わる人々、また文化への造詣が深い京都への旅人達を魅了し、同時に地域コミュニティにとっても心地良い文化中枢となることを目指す。
ホテルの内装はコミューンデザインが担当した。豊富な自然と芸術、絶え間なく進化し続ける文化、洗練された職人技術と、深遠な歴史を持つ京都を尊ぶ場となる事を目指し、「East meets West」というコンセプトのもとデザインされた。染色工芸家・柚木沙弥郎氏をはじめとするさまざまなアーティストによるオリジナルアート、丁寧に植栽された空中庭園など、館内は土地の文化や伝統への敬意を込めた、日本の意匠と西洋のテイストを融合させた空間となっている。
総客室数213室で全室30平方メートル以上の広さを持ち、5室はスイートとなる。スタンダードキングほか3つのスイートを含めた計9タイプ用意する。各客室にはエースホテルにとって重要な要素である「音楽」を象徴するターンテーブルやギターのほか、「エースホテル京都」のためにアメリカや日本のクリエイターによって制作されたオリジナル家具やアートが設置されている。館内のアメニティは、日本のトータルビューティーカンパニー『uka(ウカ)』がエースホテルのためだけに作ったものを採用した。今後『uka』の製品は日本国外も含めた全エースホテルでも使用される。
活気あふれるロビーでは、本国のエースホテルと同様にさまざまなイベントが行われる。このイベントもエースホテルの大きな特徴の一つで、地元京都の作家はもちろん、国内外の著名アーティストとのコラボレーションイベントも今後多数行っていく予定だ。また、館内には3つのユニークなレストランとコーヒーショップもオープン予定である。加えて、最大280名収容の宴会場と3つのミーティングスペースでは展示会やイベント、1日1組限定でウェディングの利用も受け付けている。このほかホテルには、ジム、リテールショップ、ギャラリーなども設ける。
歴史ある建物を保存しつつ新築棟を設け、ミニシアターやバラエティ豊かなショップを揃えた『新風館』は、京都により一層賑わいを創出する施設となりそうだ。アジア初進出となる『エースホテル』も世界中から注目を集め、美しいデザインは旅行者へ上質な滞在を提供するだろう。
NTT都市開発とUDホスピタリティマネジメントは、株式会社プリンスホテルと共に「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu」を2020年3月22日に開業予定だ。昭和初期に建設された元京都市立清水小学校の校舎を保存・活用したホテルで、「記憶を刻み、未来へつなぐ」をコンセプトにゲストを迎える。
またNTT都市開発は、シンガポールに本社を置くアスコット社が運営するコリビングホテルブランド『lyf(ライフ)』の日本初進出となるホテルを、2020年秋に福岡市中央区にて開業予定だ。建物は客室数131室のホテルと商業施設からなる複合施設である。2021年春には、京都市南区にて客室数182室のホテル(一部店舗)を開業予定だ。「京都に訪れるお客様を観光地やビジネスエリアへとつなぐ新たな拠点の創出」をコンセプトに、機能的で過ごしやすい空間を提供できるホテルを目指すとしている。
■「エースホテル京都」公式サイトはこちら。
【参照記事】
・日本初出店のエースホテル京都、4月16日(木)に開業日が決定!
・京都「新風館再開発計画」のホテルブランドが決定 世界のホテルの新潮流『エースホテル』が日本初進出
【参照サイト】
・NTT都市開発株式会社|「新風館」2020年4月16日(木)グランドオープン
・NTT都市開発株式会社|2020年春開業の複合施設「新風館」出店テナント決定
・NTT都市開発株式会社|「新風館再開発計画・エースホテル京都」内装デザイナー ロサンゼルスを拠点に活躍するCommune Design Inc. に決定
・NTT都市開発株式会社|「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu(ザ・ホテル青龍 京都清水)」150年の歴史を持ち、昭和初期に建築された小学校校舎が、上質なヘリテージホテルに生まれ変わります
・NTT都市開発株式会社|京都東寺駅前開発プロジェクト新築工事着工について
・NTT都市開発株式会社|福岡・今泉公園前プロジェクト新築着工およびホテルブランド決定について
(HOTELIER 編集部)