京町家を宿泊施設へと再生した『宿ル』ブランド2施設が京都市・壬生エリアに開業
株式会社クラウドリアルティは2019年6月10日、京町家を宿泊施設へと再生するプロジェクト『京都壬生辻町町家再生プロジェクト(東)(西)』において、運営を担う株式会社トマルバが京町家をリノベーションした宿泊施設「宿ルKYOTO 洞窟ノ宿」「宿ルKYOTO 縁側ノ宿」の2施設を中京区壬生エリアに開業したと発表した。
トマルバは古民家・京町家の一棟貸し宿に特化した企画・運営・集客を行うプロデュース会社である。有名な庭師による坪庭、照明デザイナーによるライティング、高品質なアメニティや設備を整えることで、京町家を高級宿泊施設にリデザインし、インバウンド顧客をターゲットに集客を行っている。
クラウドリアルティは、P2P型の不動産クラウドファンディングサービス『クラウドリアルティ』を運営している。京町家を宿泊施設へ再生するプロジェクトにおいては、2017年8月に株式会社SBI証券と顧客紹介に関する業務提携を締結したほか、2018年2月に楽天LIFULL STAY株式会社と業務提携している。
このたびの『京都壬生辻町町家再生プロジェクト(東)(西)』は、不動産証券化と投資型クラウドファンディングを組み合わせ、京町家を宿泊施設として再生する取り組みである。現在空き家となっている京町家の中には、築年数が経過していることや、必要な修繕がされていないこと等から担保価値が認められず、銀行融資を受けにくい状況にあるものが多く存在しているという。担保価値ではなく、将来生み出すキャッシュフローや社会的な価値等に着目し、その価値に共感する投資家たちから事業資金を募ることで、古民家再生を促進し、空き家問題の解決や歴史的な景観の維持の一助にもなると同社は考えている。
同社は同プロジェクトにおいて、トマルバが選定・運営を行う京町家の証券化および宿泊施設へのリノベーション工事を目的とした資金調達を、クラウドファンディング・プラットフォームにて実行した。同プロジェクトの資金調達は2017年12月に募集を開始し、投資家236名から合計1億2,000万円の出資を集めた。ファンドとしての運用期間は約3年間にわたり、その間宿泊施設の運営収益に応じた分配を行う。運用期間の終了時には、物件の売却等により出資金の払い戻し等を行う。
なお、このたびの物件はプロジェクト終了後も、宿泊施設として継続して運営されることを想定している。加えて、トマルバによる京町家に関するプロジェクトはこの他にも3プロジェクトがすでに運営開始となっており、今後も同様のプロジェクトの募集を予定しているという。
ホテルブランド『宿ル』は、「手に取るもの、目に見えるもの全てに作り手の魂が宿る施設」だ。京町家にはさまざまな歴史やストーリーがあるが、ひとつとして同じものはなく、それぞれ異なる歴史やストーリーを紡いできている。受け継いだ伝統を大切にしつつも、現代の生活に合わせて快適な空間になるよう、関わる全ての作り手が丹精込めて一つ一つの宿をさまざまなコンセプトで作り上げている。
このたび開業した2施設はそれぞれ木造瓦葺の2階建てで、京都駅から車で約10分、丹波口駅から徒歩約3分に位置する。定員は最大5名で、和室1室・洋室2室・リビングなどを設けている。
「宿ルKYOTO 洞窟ノ宿」は、壁や照明に硬い無骨な材質を使用することで洞窟を表現した。宿の奥にあるガラス張りの開放的な浴室は、洞窟を潜り抜けた先の空間をイメージしており、庭を眺めながら旅の疲れを癒せる。全体的に少しトーンを抑えた客室は、ダイニングテーブルを囲んで団欒を楽しむ時間や腰掛け読書にふける時間、庭のベンチに座ってゆったりとくつろぐ時間を演出し、都会の喧騒を忘れさせてくれる至福の時間を過ごせる。
「宿ルKYOTO 縁側ノ宿」は、縁側を特徴とした宿だ。床を彫り込んで作ったソファの隣に、外まで続く縁側がリビングの中央を貫いている。全長3.5メートルのソファとそれに合わせたローテーブルをリビングに配置し、家族や友人、恋人との団欒の時間を過ごす快適空間を演出した。リビングと同様に浴槽も彫り込んであり、地窓から見える庭を眺めながら旅の疲れを癒せる。室内の縁側に座って談笑したり、外の縁側に座ってゆったりとした時間を過ごしたりと、さまざまな縁側の楽しみ方を見つけることができる施設だ。
宿泊者には、宿の近くの提携先の朝食などが無料で食べられる『YADORU GIFT』の「GIFT CARD」をプレゼントする。朝食以外にも銭湯に入ることが出来たり、アクテビティの割引が受けられたり、ランチなどにも利用可能だ。「YADORU GIFT」の提供により地域との関わりを増やすとともに、宿泊者へ地域の魅力や京都の魅力を伝えることが可能となる。より良いサービス・お店を紹介できるよう、サービスに共感する提携店舗を順次増やしているという。
施設は備品にもこだわっている。西川の高級寝具、一保堂茶舗のお茶、松栄堂のお香など、京都の良さ・歴史を感じられる備品を用意している。さらにKOSEブランドのアメニティや雪肌精のコスメ用品、NESPRESSOの本格業務用コーヒーマシン、バルミューダのトースターや電気ケトル、職人が手作りしているクチポールのカトラリーなど、こだわり抜いた備品やアメニティで快適な宿泊体験を提供する。
人気観光地である京都市は、2013年から5年連続で観光客数が5,000万人を超えており、宿泊客数も年々増えている。開業した2施設は落ち着いた雰囲気で、賑やかさから離れゆったりとした時間を過ごすことのできる大人な宿だ。設備やアメニティも豊富なため快適な滞在ができることに加え、「GIFT CARD」を利用することで京都の魅力を楽しむこともでき、旅をより充実させてくれるだろう。
■「宿ル」公式サイトはこちら。
■「宿ルKYOTO 洞窟ノ宿」公式サイトはこちら。
■「宿ルKYOTO 縁側ノ宿」公式サイトはこちら。
【参照記事】
不動産クラウドファンディングで京町家から宿泊施設へと再生したプロジェクト「宿ルKYOTO 洞窟ノ宿」「宿ルKYOTO 縁側ノ宿」がオープン
【参照サイト】
京都市|平成29年 京都観光総合調査について
(HOTELIER 編集部)