自転車を持ち込めるサイクルホテル「コナステイ伊豆長岡」2019年3月25日にオープン
ホテルや旅館の企画・運営、再生コンサルタント事業、レンタサイクル事業などを手掛ける株式会社コナリゾートが、静岡県伊豆の国市に『コナステイ伊豆長岡』を2019年3月25日に開業することが分かった。2月12日より予約受付を開始する。
『コナステイ伊豆長岡』は、古い温泉旅館をフルリノベーションし、自転車旅のサポートを目的としたリゾート型ホテルだ。 ホテルへは伊豆長岡駅より徒歩15分、バスを利用すると3分でアクセスできる。
自転車を持ち込めるサイクルホテルを中核に、「eBike」を使用したサイクルツアーやレンタサイクル、個人の自転車預かり・洗浄などのサービスを提供するサイクルピット、宿泊客と地元客が交流できるパブリックスペースなど、サイクリストフレンドリーなサービスと設備を提供する。このほか温泉かけ流しの大浴場、コモンダイニング(食堂)、Cafe&Bar、シェアキッチン&シェア冷蔵庫などを用意した。朝食は洋食ベースの食事を提供する。
客室はツイン18室(トリプルに変更可)・離れ1室・ドミトリー3室(最大12名可)を用意する。総収容人数は95名。インバウンド客も快適に利用できるよう、畳敷きを活かしながらもホテルライクなベッドスタイルに変更した。宴会場を改装し2段ベッドを複数設置したほか、個人客がリーズナブルに宿泊できるドミトリー形式の宿泊プランも提供する。朝食付きプランは1室あたり13,800円(税別)~、ドミトリー1名あたり3,900円(税別)~。
同ホテルの開発は、もともと後継者がいない廃業旅館のオーナーから、コナリゾートが同旅館の譲渡を持ちかけられたことがきっかけだ。同社は、オリンピックに向けて盛り上がりつつあるサイクリストをターゲットに、「eBike」という新しい移動手段を活かしたさまざまなサイクルツーリズムの商品を開発した。これを宿泊とセットで提供し、今までにない旅館の集客コンセプトとして立案したという。
この企画に対し、地元金融機関の三島信用金庫、株式会社地域経済活性化支援機構のファンド運営子会社であるREVICキャピタル株式会社と静岡キャピタル株式会社が共同運営する「しずおか観光活性化ファンド」、同ファンドが出資する「しずおか観光ソリューションズ」が、その可能性に着目した。これら金融機関の支援により、新しいコンセプトのホテルとして開業することとなった。なお、2019年1月30日に「しずおか観光ソリューションズ」はコナリゾートの一部出資を引き受け、「しずおか観光活性化ファンド」は普通社債を引き受けている。
“サイクルツーリズム”を強く推進している静岡県は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技開催地である。トラック・レースは「伊豆ベロドローム」にて、マウンテンバイクは「伊豆マウンテンバイクコース」(オリンピックのみ)にて開催される。また、オリンピックの自転車ロードレースのゴールおよびタイムトライアル、パラリンピックの自転車ロードレースおよびタイムトライアルは「富士スピードウェイ」を中心に開催される。
国も、新たな観光として人気が高まる“サイクルツーリズム”を推進し、観光立国の実現を目指している。走行環境・受入環境の整備などを行い、ハード・ソフト両面から世界に誇る先進的なサイクリング環境の創出に向け、モデルルートを2020年度までに40ルート整備する考えだ。
自転車競技が開催されることや、国の取り組みからも、サイクリスト向けの宿泊施設の需要は今後高まっていくだろう。『コナステイ伊豆長岡』は、自転車を持っていないゲストもレンタルすることでサイクリングを楽しめ、自転車を持っているゲストも安心して愛車を持ち込める設備が整っている。海や山、温泉など名所の多い静岡県に訪れるサイクリストに人気の施設になりそうだ。
■「コナステイ伊豆長岡」公式サイトはこちら。
【参照記事】
【ニュース】 コナリゾート、古い温泉旅館をフルリノベーション、自転車旅をサポートする宿泊施設「コナステイ伊豆長岡」を3月25日に開業 静岡県伊豆の国市
【参照サイト】
・【しずおか観光活性化ファンド】株式会社コナリゾートに対する投資実行について~サイクル・ツーリズムの拠点として廃業旅館を改装したサイクリスト向け宿泊施設へ~
・静岡県|東京2020大会自転車競技
・国土交通省|自転車利用環境の整備を促進~自転車活用推進計画を閣議決定~
(HOTELIER 編集部)