京阪ホールディングス、京都を中心にホテルや商業施設開発を加速。3年間で1,000億円を投資。
京阪ホールディングス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:加藤好文)は5月9日、2018~2020年度の中期経営計画と、2026年度を目標とする長期戦略構想を発表した。京都では観光・インバウンド事業をさらに強化し、大阪や沿線外地域も含め、ホテルや商業施設の開発を中心に今後3年間で1,000億円を投じるという。
中期経営計画では、京都を観光の重点投資先に位置付け、旗艦ホテルとしてJR京都駅近くに『THE THOUSAND KYOTO』を2019年1月に開業予定だ。「京都の豊かな知恵に触れる~Personal Comfort Hotel~」をメインコンセプトにした同ホテルは、2016年1月に閉館した『京都第2タワーホテル』の跡地に建設し、隣接する『京都センチュリーホテル』と低層部で接続した一体的な施設として開業する。
このほか、京都駅周辺に2つのホテルを新規出店し、同エリアで約1,500室の客室を提供する。グループで運営するホテルの客室は、2017年度の3,100室から、2020年度までに5,200室へ増える見通しだ。
四条河原町では、複合商業施設『BIOSTYLE』を2019年春に開業予定である。同施設では、京阪グループの株式会社ビオ・マーケット(本社:大阪府豊中市、取締役社長:上野正哉)が有するオーガニック認証の生鮮食品を中心に、幅広い意味で「身体に良いもの」「生産者、作り手の思いが見えるもの」を商品・サービスとして展開する。京阪ホールディングスの加藤社長は、ホテルと複合商業施設について「1,000億円の半分ほどはこれら大型事業が占める」と述べた。
また、京都市中心部に集中する観光客を分散させるため、洛北~東山~伏見・宇治を「観光ゴールデンルート」に設定した。三条駅前の再開発に加え、洛北への玄関口である出町柳駅や中書島駅の再整備も進める。さらに、市内バスの混雑緩和に向け、主要観光地を巡回するバスの運行も検討しているという。
鉄道部門では、2017年8月に運行を開始した座席指定の特急車両「プレミアムカー」の平均乗車率が7割と好調のため、導入拡大を進める。沿線の伏見稲荷などを訪れるインバウンド収入も、2017年度の11億円から2020度は20億円に増える見通しだ。
同日に発表した2018年3月期の連結純利益は227億円で、6年連続で最高益を更新した。訪日客の増加で旅客輸送が伸びたことに加え、不動産事業も拡大しており、財務基盤の安定化でさらに積極的な投資を行うという。加藤社長は「沿線の大型開発プロジェクトが完了する2026年度までは投資がまだまだ必要。財務基盤を多少犠牲にしてでも、将来に向けて資金を投じたい」と述べた。
■「THE THOUSAND KYOTO」概要
所在地:京都府京都市下京区塩小路通下ル東塩小路町570番
アクセス:JR京都駅より徒歩2分
開業日:2019年1月(予定)
階数:地下1階~地上9階
延床面積:22,063平方メートル
客室:3階~9階 222室
施設構成:宴会場、控室、料飲施設、チャペル、ブライダルサロン、衣装室、美容室、スパ、ジム、駐車場
■「BIOSTYLE」概要
所在地:京都市下京区河原町通四条下る稲荷町
延床面積:27,377平方メートル
スケジュール:2017年3月着工、2019年春開業
【参照記事】
京阪、ホテル開発加速 京都重点に1千億円投資へ
【参照サイト】
・京阪グループ長期戦略構想の策定について
・京阪グループのフラッグシップホテル【THE THOUSAND KYOTO】2019年1月JR京都駅前に誕生
・「BIOSTYLE」プロジェクト 京都・四条河原町における複合型商業施設の開発計画について
【コーポレートサイト】
・京阪ホールディングス株式会社
・株式会社ビオ・マーケット
【サービスサイト】
・京都センチュリーホテル
(HOTELIER 編集部)