仙台駅東口の基準地価20%近く上昇。商業施設の開業や自由通路拡幅で東西格差縮小
9月19日に発表された7月1日現在の基準地価によると、東北の商業地は再開発が進む仙台市のJR仙台駅周辺の上昇率が際立っていることが分かった。同駅西口と比較し地価が低かった東口で20%近い上昇率を示しているという。
これまで東西格差が指摘されてきた仙台駅だが、昨年3月の東西自由通路の拡幅、駅東口構内でのエスパル仙台東館のオープンなどで東口側の利便性が向上。今年6月のホテルメトロポリタン仙台イーストの開業や2015年の市地下鉄東西線開業にも後押しされ、東口が位置する宮城野区榴岡1丁目の地価は18.3%の上昇率。格差は確実に縮まっているようだ。
東口から約40メートルのマンションの住人は、「約35年住んでいるが、街並みがきれいになり高層マンションが増えた。最近は不動産のチラシがたくさん入るようになった」と変化を実感しているという。仙台駅東口商工事業協同組合の松坂卓夫理事長は、東京の大手企業も東口の新規出店に意欲を示していると指摘。「東日本大震災の被災地で復興工事が終わり、高騰した建設資材の価格が落ち着けば数軒の商業施設が建つ見込みがある」と明かした。
外資系不動産サービス業CBRE仙台支店の稲毛敦士支店長は、「東口は再開発も進み、発展の期待値が高い」と分析している。「オフィスビルやホテルが建設される余地がある。今後も地価は上がるだろうが、熱くなり過ぎるのも心配だ」と話しているという。
ビジネス利用や東北へ行く経由地点としても利用者の多い仙台駅。今後も都市発展傾向の強いエリアだろう。
【参照記事】
<基準地価>仙台駅東口20%近く上昇 再開発加速に期待
(HOTELIER 編集部)