25の国産特許を持つWifi業界のイノベーション企業〜Kpnetworks株式会社 山本氏〜

現在、街中には無数のWifiスポットが存在します。ホテルやホステルなどの宿泊施設では、今やあたりまえのようにWifi接続ができ、施設を利用する人は滞在中SNSやネット検索、動画閲覧などが楽しめます。

国内ネットワーク機器関連の市場は、2020年東京五輪までに3,920億1,900万円、IoT市場世界全体では2019年までに16.4兆円の市場があるといわれています。いずれも2010年頃からその勢いは伸びており、世界的にIoT化が進んでいると共に今後、急速な拡大が予想されます。

今回、市場の伸びも止むことのないWifi事業で、他にはない無線アクセスポイントを展開している企業「Kpnetworks株式会社」の代表取締役社長である山本 直延氏にお話を伺いました。

Wifiの基本的な情報について

家庭用Wifiと業務用Wifiの違いを教えてください。

Wifiには、大きく分けて家庭用と業務用Wifiの2タイプがあります。繋げられるパソコンやスマホなどの台数が違います。一つのwifi機器では、家庭用では10台くらいの接続ができます。業務用では一つの機器で、50台くらい繋ぐことができます。

Wifiの速度の違いについて教えてください。

Wifiは広く普及している無線LAN関連の一般名称で、世界規格としては、IEEE 802.11(アイトリプルイー 802.11)というもので規定されています。

現在の最新のものでは、家庭用も業務用も同じ規格となっています。だいたい1.5Gbの速さを出せる規格の製品が世の中には出ていますが、本当に規格通りの速度が出せるかというと違います。

国産特許をもつKpnetworksのWifiとは

ケーブル1本でOK! 大幅なコスト削減

Wifiを導入するには、一般的にはインタネットケーブルが必要です。ケーブルは施設の規模によっては何本も、そして中継機器も何台か必要になります。

例えば、ホテルに導入する場合、お客様がいる場所を滞りなく運営しながら工事をしなければなりません。ホテルならず、病院などの施設でも同じことが言えます。まして、離れを持つホテルとなると、もっと大変。有線LANを長く引かねばならなく、初期コストがかなりかかります。しかし、Kpnetworksの無線アクセスポイントはケーブルが必要ないので、初期コストの面でかなり削減できます。

なんと、ケーブルはインターネットの回線から親機にだけあればOK! 親機から子機、子機から子機もケーブルが不要なので、本体に1本あれば良いです。

持ち運びができる便利なWifi機器

弊社の無線アクセスポイントは、特殊性があり三脚で持ち運びができる作りになっています。この効果はイベントなどで発揮しており、大きなイベントでも設置に時間がかかりません。当日、該当箇所に設置して、終わったら持ち帰るだけ。施設では天井や廊下に張り付けますが、三脚を使えばその利便性は見ての通り。

しかもアンテナを変えると1km前後まで飛ばせます。離れがある高級旅館などでも弊社なら離れでスムースなネットを提供することができます。広大な敷地を持つリゾートホテルこそ、弊社の技術を最大限に活かすことができる施設です。

最大1km前後までWifiを飛ばせる新型モデル

遠くまで安定した電波を届けられる

通常、無線中継ができるWifi機器の説明書には、「2〜3段しか無線中継しないでください」と書いてあります。これはどういうことかというと、親機から子機、子機から子機とWifiを飛ばすときに、「2台〜3台まででないと、速度が遅くなりますよ」ということを意味しています。

しかし、弊社の無線は途切れないんです。最大20台まで安定した無線中継ができます。これが弊社の最大の強みで、現時点では世界でここしかない特許技術なんです。

子機がダメになっても途切れず安定している

1区間の子機がだめになっても、自動でルートを再構築してくれます。機械同士が監視していて、ホテルの内装替えや配置替え、また人も電波を変える物体なので、子機の配置を変える必要がある場合、有線ケーブルを用いたWifiだと制限がかかりますが、無線中継だと場所を移動すればいいだけので、配置換えをしても楽に変更が可能となります。これも弊社の強みといえます。

世界各国の電波認証を取得。アジアでの導入実績をもつ

無線機器というのは、国で決められている電波法というものがあります。弊社では、アジアや北米など電波認証を取っているので、このまま海外のホテルや施設にも持って行くことができます。ホテル関連ではないですが、製造業の工場では、中国やフィリピン、ベトナム、タイなどで既に導入されている実績があります。
電波認証には審査があり、国ごとにそれぞれ電波認証をしないといけません。しかも各商品ごと、各国ごとに申請を通さないといけないので、かかる労力とコストもそれなりです。コストは、数百万以上かかることもあります。でも、その認証を取得しているからこそ、弊社の強みが活かせる機会を多くいただいているのも事実です。

Wifi機器1台、コストはどのくらいかかりますか?

弊社のwifi機器は、20万前後で流通しています。工事費がかからないので、他社の無線アクセスポイントよりも少し高いですが、総合的な費用面では弊社の方が安く収まルケースも多くあります。

例えば、200床ある施設で、他社と比べて60%くらいのコストダウンが図れました。内訳としては、コントローラーなど付属機器や工事費などの面で削減できました。

新型モデルと旧モデルの違いは?

接続台数とスピードが違います。新しいモデルは、理論値で最大1.7Gbのスピードが出て、最大200台のデバイスを繋ぐことができます。世の中で流通している機器と変わらず、新型はかなり早いですね。一方、古いモデルは約300MBくらいのスピードで、32台のみ繋げます。

ホテルへのWifi導入について

ホテルWifiのよくある話

これはよくある話ですが、ホテルで家庭用の機器を使っていることがあります。これはスピードが出ないのは疎か、ネットを使っている途中でフリーズしてしまう恐れがあります。

結果的に、お客さんのクレームに繋がってしまうので、家庭用のWifiを使うのは避けたいところです。稀に100人規模の大型ホテルさんでも有り得るんですよ。これには時代背景があり、昔にwifiを導入してから変えていないということがあります。今はあって当たり前の時代なので、wifiがないホテルにはお客さんは行かない人も多いですね。

ホテルWifiは環境によって変わる

まず、業務用は家庭用と比べてフリーズしづらいので、業務用のWifi機器を導入するのが前提となります。接続する数、スピードと安定感の3つが違います。

また、ホテルのネット回線がどのくらいの速度を用意しているかが重要なポイントになってきます。そこではじめてwifi機器は何台必要かという問題になります。この2つがホテル規模に見合っていないと、そもそもWifi機器を導入しても意味がありません。

例えば、「1つのWifi機器で50人繋ぐことができます」といったとき、4台の機器を使うと、300人のホテルだと見合わないこともあるんです。先ほどお話したように、離れがあったり、ゴルフ場などを持つリゾートホテルですと、ホテル全域にWifiを飛ばすには人数とはまた別の、ホテルの規模や構造、環境といった問題で、その台数が変わってきます。

Kpnetworks のWifi導入実績について

ホテルのみならず幅広い企業に導入

・ 幕張の大型ホテルの宴会場での導入
旧式モデル10台、費用200万弱
・ 千葉のビジネスホテル
旧式モデル3台、費用30万弱
・ 北海道の観光ホテル
旧式5台、費用約70万円(機械以外に付属機器を付けた)

弊社は、「サーベイ」といって、電波環境を調査するツールがあります。Wifi機器を設置する前に、ネット回線や環境などをお聞きし、敷地内でこれくらい電波が通りますよとPC上で色分けしたデータをお見せします。実際に設置する前に再現することで、ホテルさんも安心していただいています。

実際設置した後には、北海道のホテルさんより、訪日外国人が多いので用意しておいてよかったとの声がありました。他にも、「家庭用から業務用に乗り換えしたところだと、クレームが激減した」との声をいただいたこともあります。

ホテル以外では、福岡の天神の地下街に1日2,000人以上の利用がある公衆Wifiを設置したり、他にもテーマパークや遊園地でのお話もいただいています。Wifiはどの業態でも当たり前の時代ですね。

気になるセキュリティ面ではどうでしょうか?

セキュリティには2つの意味合いがあります。データ通信のセキュリティと、wifiの接続時の誰がいつ、どんなところで、どんなデバイスを使っているかといった追跡するセキュリティの2つです。

一般的に現在のWifi機器は、各国で標準として制定されている暗号方式を使っており、一般的には破られることはありません。通信対策がきちんとされています。逆に、有線LANケーブルの方がデータの暗号化がされていないので危ないですね。

今後の展望について

KpnetworksのWifiの今後の展開について教えてください。

今はWifiが主流ですが、今後は人工知能を用いたシステムを提供していきたいと考えています。ホテルのサービス向上につながるための、その人にとっての最適な情報を提供できるようなシステムを構築したいですね。

そして、ゆくゆくはWifiの繋ぐといった行動をせずとも、どこの世界にいても弊社のWifiがいつでもどこでも繋がっている世界を作り上げたいです。弊社のWifiなら安心して使えるといった状態にしたいですね。

今後Wifiはどのようなシーンで利用されると考えますか?

駅やホテル、街中でもWifiスポットは多く点在するが、今後は、大きく3つの用途にも広がると考えます。一つ目は、災害時の避難誘導や交通規制などにおける「社会公共活動の支援」、二つ目は、生活改善の指導や自動運転など「日常生活の支援」、三つ目は産業機械の監視や入退室のデータ管理など「事業・産業活動の支援」です。

このように普段利用する施設だけではなく、あらゆる場所で無線Wifiの可能性が見出せる世の中になると考えます。弊社のKpnetworksのWifiを、日本から世界へ展開していけたら本望です。

KpnetworksのWifiが日本から世界に

【Kpnetworks株式会社】
代表取締役社長:山本 直延氏
〒108-0014 東京都港区芝4-5-11芝プラザビル10F
http://www.kpnetworks.jp/

(HOTELIER編集部)


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