「ヤミ民泊」一掃へ 旅館業法改正で罰金上限額3万円→100万円に
秋の臨時国会が9月25日からの最終週にも召集される見込みだが、民泊業界にとって注目は、違法民泊への罰則強化を主旨とした「旅館業法の改正案」の審議だ。6月に閉幕した通常国会では、改正案は国会提出されたものの審議時間が足りずに未成立となっていた。
政府・与党は、住宅の空き部屋などを旅行客に貸し出す際の民泊ルールを定めた「住宅宿泊事業法」(民泊新法)と改正旅館業法、さらには旅館業法の規制緩和を盛り込んだ改正旅館業法施行令の3つを、来年同時に施行することを目指してきた。来年の同時施行に間に合わせるためには、今回の臨時国会において改正案を成立させることができるかどうかが、ポイントだ。
民泊新法は「全国的な民泊の解禁」、旅館業法の改正案は「違法民泊への罰則強化」、旅館業法施行令の改正は「旅館業法の許可取得の規制緩和」を、それぞれ主な目的としている。旅館業法の改正案では、違法民泊の無許可営業者に対する都道府県知事などによる報告徴収や立入検査などの実施のほか、ヤミ民泊に対する罰金の上限額を3万円から100万円にする内容などが盛り込まれている。
一方、旅館業法施行令改正による規制改革の内容としては、客室の最低数や寝具の種類、客室の境の種類の規制などについての撤廃や、フロントの規制については、「受付台の長さが1.8m以上」等の数値による規制を撤廃し、ICT(情報通信技術)の活用などによる適用除外を認めることなどが柱となっている。
これまでは国のガイドラインができるまで自治体の条例制定作業も進まず、無許可のヤミ民泊や利用者の迷惑行為が問題となっていた。まん延するヤミ民泊を一掃し、適正な民泊運営によって観光客の需要の取りこぼしを防げるだろうか。
【参照記事】
・「ヤミ民泊」の罰則強化、審議再開へ 臨時国会、9月下旬にも召集 旅館業法改正で上限3万円→100万円に
・「ヤミ」一掃へ民泊新法 来春にも施行、課題も 条例で営業日数の調整可
(HOTELIER 編集部)