京都市、民泊で独自条例制定へ。違法民泊の取締り、京都らしい民泊の推進議論
京都市の門川大作市長が、民泊関連で京都市独自の施策を進めるために、新たな条例を制定する意向を示していることが明らかになった。
今月にも、観光や住宅に詳しい大学教員などの専門家ら、外部有識者を集めた検討会議を立ち上げる。無許可で営業する違法民泊の取り締まり強化のほか、町家の1棟貸しやホームステイタイプの民泊など、京都らしさを味わえる民泊推進についても話し合う見通し。
8月には、民泊を運営する不動産会社らによる「京都簡易宿所・民泊協会」も発足し、行政に違法な事業者の排除を働きかける意向が示された京都。門川市長は記者会見で、「京都ならではの観光振興と地域住民の安心安全をふまえ、どのような条例が京都に調和するかを検討する」と述べているという。
同市では昨年度、独自に「京都市旅館業施設における安心安全及び地域の生活環境との調和の確保に関する指導要綱」を策定。宿泊サービスの提供に係る市独自のルール遵守を事業者に求めている。指導要綱には、「営業者は、利用者が周辺施設と当該施設を取り違えないよう、施設等に分かりやすい標示をすること」や、「早朝、夜間にかばんを引く音を立てたり、大声、大きな物音などの迷惑な騒音を立てたりしない」「たばこの吸い殻、ごみのポイ捨てや、きまりに反したごみ出しをしない。」ことを施設利用者に周知するよう、近隣住民の生活を守るためのルールなどが定められている。
また、昨年度には「旅館業無許可営業疑い施設の調査」を実施。公表された指導状況によると、同年4月から10月末までに受け付けた1,303件の通報等に基づき述べ1,559回の現地調査を行い、212施設を営業中止、206施設について指導を進めるなどの措置を取っている。
市内の宿泊施設数は、ホテルが平成25年度153軒から平成28年度173軒と20軒増、旅館は同387軒から367軒と20軒減。簡易宿所については、同391軒から同1,086軒と695軒増で3倍近くに急増している。トラブル等の抑止に、独自条例への期待も高まっていることだろう。
【参照記事】
京都市、民泊で独自の条例制定へ 9月にも有識者で検討会議
【参照リリース】
宿泊サービスの提供に係る本市のルールの明確化に向けた取組について
(HOTELIER 編集部)