サンケイビル、京町家再生事業に参入。1日1組限定の一棟貸し施設を2018年春開業
株式会社サンケイビル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:飯島 一暢氏)が、 京都市内で伝統的な京町家の再生事業に参入することが明らかになった。
第1号物件は、2017年1月に京都市より「景観重要建造物」「歴史的風致形成建造物」に指定された歴史的価値の高い建物。世界文化遺産の二条城まで徒歩圏内、古い商屋が建ち並ぶ古都の情緒溢れるエリアに位置している。すでに改修工事に着手しており、「(仮称)京都二条 さわら木の宿」として2018年春開業予定。1日1組限定(店員2~10名)の一棟貸しとなる。
所在地は京都市上京区椹木町通堀川西入講堂町243、京都市営地下鉄東西線「二条城」駅より徒歩9分、京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅より徒歩8分。敷地面積は約170平米、延床面積は約196平米の木造2階建て。築年月は不詳だが、江戸時代~明治期と見られているという。
京都の風情ある街並みを形成する重要な構成要素である京町家だが、近年は所有者の高齢化に伴う相続や維持管理の問題、老朽化による取り壊し、空き家の増加などが深刻な問題となっているという。一方、観光都市・京都の人気は国内外から高まっており、京都市内は慢性的な宿泊施設不足。同社では今後のさらなる観光需要を見込み、京都特有の滞在体験の提供、かつ歴史的な価値を有する京町家を攻勢に残すことを目的に同事業の展開を開始したということだ。
同社は、2015年にホテル事業へ進出。2018年には京都市内に直営のシティホテルとゲストハウス型ホテルの開業を予定しており、そのノウハウを活かして同事業を推進、2020年度までに複数棟の事業拡大を目指す。
町家の再生へは、近年多くの事業者が参入している。今年5月には株式会社ワコール(本社:京都府京都市、社長:安原 弘展氏)が、グループのワコールアートセンター(本社:東京都港区、社長:小林 裕幸氏)と連携しての参入を発表した。2018年4月に2~3店、5年後をめどに50店前後に拡大、観光客向けの体験プログラムや物販・カフェの併設も検討し売上10億円を目指す予定だ。
【参照記事】
・サンケイビル、京町家宿泊施設事業を開始、第1号物件「(仮称)京都二条 さわら木の宿」の改修工事に着手
・ワコール、京都の町家で宿泊事業
(HOTELIER 編集部)