中国人の”爆買い”は止まることなく、対象は”日本不動産”にシフト
中国富裕層、東京湾豪邸を争って購入
中国富裕層は数年前からすでに、中国国内の不動産への投資では高い利回りを期待できないと感じている。その一方で、日本首都圏の物件の値段は、中国沿海大都市と比較しても、大きく変わらず、むしろ安くなっている。かつ、2020年に東京オリンピックの効果をかなり期待できるため、中国人の日本の買いものターゲットは「不動産」にも目が向けられている。
その中で、中国人富裕層に最も魅力があるのは、東京晴海地区内の東京湾沿岸地域の高層豪邸である。晴海地区は東京オリンピック村の所在地であり、元々話題性が十分ある。ここ数年では、物件の値段がどんどん上がっている。そのため、当該地区の高層豪邸は中国人富裕層の興味関心を引き寄せた。統計データによると、当該地区のマンション全体の中、10から20%は中国人が購入したという。
日本メディアは、日本人住民に中国人のマナーが問題にならないかなどの質問をしたが、特にそんなことは気になったことがないとの回答。それに比べて、同じマンションに住む住民たちは、“これらの中国人たちはいつ豪邸を売るのか?”にさらに高い興味があるとのこと。
中国人が豪邸を売り始める
ここ数年、首都圏の不動産マーケットは好景気を維持しているが、湾岸地域などの高級マンションは劣り始めている。
不動産会社である、株式会社東京カンテイの市場調査部の高橋雅之がインタビューを受けた際に、“中華圏の富裕層に購入された高層マンション豪邸は、売られる数がすでに増えている”という。湾岸地域の不動産仲介業者も同じことを言う。
2年前と比較して、晴海の高層マンション豪邸の価格は10から15%あがった。2年前市場価値は6000万円のマンションは、今は約7000万円である。中国人投資家の一部は、不動産マーケットを最高峰に押した後に、売りにシフトをし、マーケットの転換期で大きく稼ぐつもりである。
日本不動産への興味関心は下がらない
“爆買い”という単語は昨年の日本流行語大賞に入った。しかし今年に入って、中国旅行客の炊飯器や紙おむつの買い占め現象はほぼ消えた。また、不動産の“爆買い”もすごい勢いで少なくなっている。首都圏内に店舗網を構えている大手不動産営業部の責任者によると、“前と比べて、中国人客の問い合わせは半分まで下がっている。”
しかし、中国向けの不動産業者から、特に仲介を担当している中国人から、たまには以下の言葉を聞くことがある。
“中国人投資家は依然として日本首都圏不動産への興味関心が高い。目的は様々であるが、特に注目すべきなのは‘安定’と‘安心’への需要である”と。
“私の中国人クライアントの中、日本式の古民家を購入した方もいらっしゃる。中国経済の先行きが不透明な状況下で、資産を日本へ移動する意向は下がっていない。”
(HOTELS.Biz 編集部)