日本初の就労インバウンドトレーニング施設内にホテル開業、「YOLO JAPAN」で外国人スタッフを採用
日本最大級の外国人会員向けメディアプラットフォームを運営する株式会社YOLO JAPANが、大阪市新今宮に開設する日本初の就労インバウンドトレーニング施設『YOLO BASE』内に、まるで美術館のようなホテル『YOLO HOTEL -THE MUSEUM-』を2019年9月28日より開業すると発表した。ホテルの運営は株式会社GRApP(グラップ)が担う。
『YOLO BASE』は、外国人に対して就労支援やトレーニングをはじめ、日本で暮らすために必要なトータルサポートをワンストップで提供する施設だ。ホテルやレストラン、イベント会場などを完備している。この会場を活用したサービス提供を通じて就労トレーニングを実施し、特定技能資格取得を含めた日本企業で働く上で求められる業務スキルの習得と、知識・語学の習熟、実務経験の増進を図る。加えて、日本最大級の登録支援機関を目指して、特定技能資格に基づく外国人就労者の生活全般のサポートを行うほか、起業したい外国人向けのコワーキングスペースを設置する。
同施設が開設する新今宮エリアは日本の労働市場を支えていたが、数十年の時間を経て、かつての労働者は高齢化などの余波を受けて姿を潜めてきた。しかし近年、街の空洞化を埋めるべく外国人が増えており、浪速区の10%以上は外国人だと言われている。かつての労働者の街から、多国籍の人々が暮らすニューヨークやブルックリンのようなアートと文化が発信される街を目指し、ホテルの構想がスタートした。
ホテルは「新今宮」駅から徒歩2分に位置する。敷地面積は4,873平方メートル、客室は全76室・5タイプ用意した。ホテルでは客室から受付に至るまで100展以上のアート作品を展示し、アートを通じて宿泊する全てのゲストに新たな発見と出会いを提供する。
日本にはアニメやイラストなど独自で発展したアートが数多くあり、素晴らしい作品は多くの外国人の心を魅了している。そんなチカラある総勢100名の日本人アーティストが参加し、「YOLO」の名前の起源でもある「You Only Live Once(人生は一度きり)」をテーマに、ホテル内の全客室をキャンパスに見立て様々なアートを描いた。 また、全長約7mのフロントはチェックイン・チェックアウトだけでなく、観光案内やホテルだけのオリジナルグッズの販売など、ゲストの多彩なニーズに応えられる空間となっている。
各種オンライントラベルサイトとの予約情報の取り組みから、ゲストの本人確認・予約・オンラインチェックイン・滞在中の鍵の開閉などをアプリ上で行うことができるブロックチェーンロック株式会社の最新技術『KEYVOX』を全面導入した。加えてホテルの専用アプリを作成し、ホテル運営に必要な予約管理やオンラインチェックイン機能を搭載した。ゲストルームのカギもスマートロックでアプリと暗証番号で開閉ができるようになり、チェックインの時間を気にせず客室に入ることが可能となる。
ホテルに隣接するレストランでは「旅するキッチン」をテーマに、世界各国の料理を朝食からディナーまで提供し、100種類以上の豊富なメニューを楽しめるという。また宿泊者以外のゲストにも一般開放しているため、外国人観光客をはじめ様々な人達との交流を楽しめる。さらに2階には屋内型のグランピングエリアを併設した。テントやランタン、ハンモックなどアウトドアグッズを設置し、館内にいながらグランピング気分を楽しめる非日常空間が広がる。
ホテルは、YOLO JAPANが提供する日本最大の12万を超える在留外国人会員メディアと連携しており、外国人求人サイトからスタッフを採用し、世界10ヵ国以上の多彩な外国人スタッフが働くダイバーシティな職場環境を実現した。
また、ホテルの運用委託先である株式会社GRApPは、ホテル・民泊・ゲストハウスで培った運用システムに加え、ホテル専用アプリを利用する事により、フロント業務を効率化し接客に特化した対応を志している。将来起こりうるホテル業界の人材不足を予測し、外国人労働者だけでホテルは運営できることを証明するシンボルを目指すと同時に、「You Only Live Once」を接客を通して多くのゲストに体験してもらうことを運営方針としている。
日本のホテル業界はフロントスタッフやベッドメイクなどを含めて外国人採用しているが、これは日本の将来におけるホテルの姿だと思っているという。今後について「外国人を積極的に採用することで、ホテル業界での新しい働き方を生み出し、関西の人手不足も大きく解消できるようにしていきたいと考えております」と述べている。
2018年10月末現在の外国人労働者数は146万463人(前年同期比18万1,793人・14.2%増加)、外国人雇用事業所数は21万6,348ヶ所(前年同期比21,753ヶ所・11.2%増加)となり、どちらも過去最高を更新した。この事業所のうち「宿泊業、飲食サービス業」は3万1,452ヶ所となり全体の14.5%を占め、前年同期比で0.2%増加している。
都道府県別に見ると、外国人労働者数が多い上位3位は東京都(全体の30.0%)、愛知県(同10.4%)、大阪府(同6.2%)となり、外国人労働者数の増加率が高い上位3位は熊本県(前年同期比31.2%増加)、大阪府(同24.7%増加)、鹿児島県(同23.8%増加)だった。大阪府に注目すると、2018年10月末現在の外国人労働者数は9万72人(前年同期比1万7,846人・24.7%増加)、事業所数は全国3位の1万5,137ヶ所(同2,211ヶ所・17.1%増加)だった。
外国人の就労支援などをトータルサポートする『YOLO BASE』と、日本人アーティストの作品を展示したり外国人スタッフを積極的に採用する『YOLO HOTEL -THE MUSEUM-』は、今までにない新しい取り組みを行う施設と言える。ホテルでは観光案内や誰でも利用できるレストランを併設しており、世界中の旅行者が集まるにぎやかな場所になりそうだ。どちらの施設も、外国人労働者数も観光客数も多い大阪府に良い影響を与えていくことを期待したい。
■「YOLO HOTEL -THE MUSEUM-」公式サイトはこちら。
【参照記事】
・総勢100名の日本人アーティストが非日常な空間を演出!日本初の就労インバウンドトレーニング施設「YOLO BASE」内 大阪・新今宮に「YOLO HOTEL MUSEUM」がオープン
・日本初の就労インバウンドトレーニング施設『YOLO BASE』を大阪・新今宮に開設
【参照サイト】
・2019年9月28日大阪・新今宮に『YOLO HOTEL MUSEUM』がオープンいたします!
・厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成30年10月末現在)
(HOTELIER 編集部)