インクロムプラス株式会社は2019年3月25日、GPSを活用しリアルタイムで自身のスーツケースの場所を把握できる当日配送サービス「GIGA RABBIT(ギガラビット)」を大阪・京都エリアで開始することを発表した。同年3月11日よりプレスタート、4月1日から本運営を開始する。

大阪・京都は、海外旅行者から絶大な人気を博しているエリアであり、オリンピック・万博を控え、インバウンド需要が今後も増える事が期待できる。しかし、インバウンド旅行者に向けてのインフラ整備には課題が多く、特に旅行者が電車・バスを利用する際に大きなスーツケースを持って歩くことにより、通勤通学で毎日電車・バスなどを利用する地域住民とのトラブルも増えていることが課題とされている。

また、スーツケースには、洗面用具から着替えなど一日も手放すことが出来ない必需品ばかりが入っている。しかし、既存の配送サービスは、近距離であっても“翌日”に届くという、旅行者にとっては利用しにくいサービスといえる。

こうした「旅行者と受け入れ側の軋轢緩和」と「旅行者のスーツケースと当日配送」の課題を解決するため、このたび同社は、大阪・京都エリアにて「GIGA RABBIT(ギガラビット)」をスタートした。

同サービスは当日配送にこだわり、午前11時までにフロントなどに預けられたスーツケースを、その日の夜には指定ホテルへ届けるサービスを提供する。一番の魅力は、旅行者はスーツケースを持たずに次の宿泊ホテルへと向かい、手ぶらでの観光を楽しむことができること。受付も簡単で、サービスサイトより依頼から支払い、スーツケースの場所確認まで全て行える。

なお、対応言語は5か国語(日本語、英語、韓国語、中国語繁体、中国語簡体)で、支払いはクレジットカードで行う。種類もVISAやマスターカードのほか、Alipayや銀聯カードにも対応している。

また、通常ホテルでは配送を依頼されると、伝票記載や配送業者への電話連絡などの対応が必要となる。しかしGIGA RABBITでは、注文完了時に本部が詳細情報を把握するため、ホテル側は旅行者からスーツケースを受け取るだけという極めて簡単な対応だけで済ませることができる。

加えて、同サービスが浸透することにより、ホテルで当たり前になっているお客様の一時預かりの荷物が軽減される。スペースの確保や確認の煩わしさから解放され、スタッフの負担を軽減できることが期待できる。

上記のほか、同サービスでは「南海なんば駅」南口から徒歩2分の場所に、スーツケース預かりセンター「なんばラゲージストレージセンター（NLSC）」を同時にオープンさせる。なんば駅は関西国際空港への玄関口である事からも、海外からの旅行者が特に多いエリアであり、繁忙期にはコインロッカーが全く足りない「ロッカー難民」が発生している。センター開設により、スーツケースの預かりサービスとスーツケースの配送サービスを組み合わせ、旅行者の手ぶら観光を手助けしていく。

さらに当日午後8時までにスーツケースを届けられなかった場合に配送費を返金する「返金サービス」や、当日に届けられなかった場合に、日常品を購入する為の費用として1万円を同社が負担する「1万円補償サービス」、縁起が良いとされている5円玉を特殊な手法で磨き込み、ピカピカの5円玉10枚をスーツケースのタグに取り付ける「5円＝ご縁サービス」など、同社ならではのサービスも用意している。

このたびのサービス開始により同社は、まず「大阪～京都」と「大阪・京都～関西国際空港」の当日配送でサービスをスタートし、今後は東京オリンピック・パラリンピックに向け、関東エリアや関西国際空港以外の空港・駅などでの拠点作りを進めていく。

近年は、南海グループのサザントランスポートサービスによる手ぶら観光窓口「n・e・s・t（エヌ・イー・エス・ティー） 関西空港店」の開設や、ヤマト運輸と全但バスによる訪日外国人向け『手ぶら観光サービス』の提供など、インバウンド向けの手荷物に関わるサービスが徐々に充実してきている。今後も同サービスを含むこうした外国人観光客が快適に観光ができる環境づくりは、都市部だけでなく全国に浸透していくとみられる。

■「GIGA RABBIT(ギガラビット)」公式サイトはこちら

【参照記事】
インバウンド旅行者向け、「GPS」管理も可能な当日スーツケース 配送サービスを京都・大阪で開始

（HOTELIER編集部）