京急電鉄がホステル事業に進出、「plat hostel keikyu asakusa karin」を2019年3月に開業
京浜急行電鉄株式会社は2019年2月7日、訪日外国人の増加に伴い需要の高まりが見込まれるホステル事業に進出し、ホステルチェーン『plat hostel keikyu』を展開することを発表した。運営は、京急グループの株式会社Rバンクが担う。第1弾として、2019年3月22日に浅草エリアの東駒形に「plat hostel keikyu asakusa karin」を開業する。
2018年に訪日外国人数は過去最多の3,000万人を超え、さらに政府は2020年に4,000万人を超える目標を掲げている。その一方で、ホテルの客室不足や宿泊費の高騰が叫ばれている。このたび、京急グループが新規物件の取得、または既存物件をホステルにリノベーションする手法で、バックパッカーだけでなくカップルや家族連れなど多様化する宿泊ニーズに対応する。
『plat hostel keikyu』のコンセプトは、「“platform”でつながるホステル」「“ぷらっと”気軽に利用できるホステル」。「ここは終点ではなく、旅はまだ途中で、ほかの駅へと続いていく」という思いを込め、今後京急沿線に展開していくホステルとのつながりを表現したという。また、英語でもフランス語でも言葉として存在し、インバウンド客にも親しみやすい名称である。ロゴデザインには「未来に繋がっていくレールのように、旅行そして人生を共にする」という思いを込めた。
「plat hostel keikyu asakusa karin」は、木造の地上3階建て、延床面積303平方メートル。“asakusa”は地名、”karin”は床材に使用している高級木材「カリン材」のことで、ホステルのデザインの特徴を表現している。都営浅草線「浅草」駅から徒歩5分、「本所吾妻橋」駅から徒歩7分に位置し、訪日外国人に人気の浅草寺や東京スカイツリーも徒歩圏内という好立地だ。「羽田空港国内線ターミナル」駅へもエアポート快特で約30分でアクセスでき、交通利便性に優れている。
客室は全23部屋・42名が収容できる。Booking.comを見ると、客室はドミトリー(男女共用・女性用)、スタンダード(4人部屋)、スーペリア(4人部屋)、スタンダードダブル、スモールダブル、デラックスダブルを用意しているようだ。現在、楽天トラベルとBooking.comにて予約を受け付けている。
同施設が開業する墨田区では、2017年度の訪日外国人の東京都内における宿泊場所は「新宿」が最も多い19.6%、次いで「墨田区内」が15.4%、「浅草」が12.4%だった。墨田区内における行動では「日本食を食べること」「ショッピング」「街歩き」が多くみられ、次いで「公園・庭園めぐり」「美術館・博物館・舞台鑑賞」「寺社・仏閣めぐり」をする外国人客が多いようだ。人気スポットへ徒歩で行くことのできる同施設は、浅草エリアでさまざまな体験や観光を楽しみたい訪日外国人の拠点になるだろう。
京急グループでは、今後も見込まれるホステル需要の拡大に備え同事業を拡大していく予定だ。加えて、同グループはホテル事業にも注力している。2018年10月より『京急EXイン』の新ブランド『京急EXホテル(Keikyu EX Hotel)』を展開し、品川駅周辺に2店舗開業している。また、「中期経営計画(2016~2020年度)」において『京急EXイン』の3,000室体制構築を目標に掲げており、2020年春には「京急EXイン東京・日本橋(仮称)」を開業予定だ。今後も京急グループの動向に注目していきたい。
【参照サイト】
・訪日外国人 年間3,000万人突破!今後需要の増加が見込まれるホステル事業 京急グループがホステル事業に新規参入!第1弾 浅草エリアに3月22日(金)オープン予定
・「plat hostel keikyu asakusa karin」3月22日オープン!(予定)
・羽田空港アクセスに優れた京急沿線・都心部を中心に展開する「京急EXイン」に新ブランドが誕生 新たなホテルブランド「京急EXホテル」を展開します 2店舗においてリブランドを行い、増加するインバウンドや多様化する宿泊ニーズに対応
・大規模再開発の計画が進む賑わいの街“日本橋”にビジネスホテルが誕生 「京急EXイン 東京・日本橋(仮称)」2020年春オープン予定 京急EXインでは2020年度までに計3,000室体制を構築してまいります
・墨田区|観光消費額等調査・外国人観光客等の実態及び観光ニーズ等調査
(HOTELIER 編集部)