2018年12月13日、株式会社空がAIによるホテルのダイナミックプライシングを支援するサービス『MagicPrice』をリニューアルすると発表した。さらに、市場分析を支援する『ホテル番付』が統合され、より包括的にホテルの料金設定をサポートできるようになる。

同社はホテル経営の支援を目指し、『MagicPrice』および『ホテル番付』の開発・提供をしている。これまで2,000件以上のホテルで利用され、サービス導入後のアンケート調査では顧客満足度91%となった。このたび、ホテル業界への支援強化と今後の事業拡大に向け、リニューアルすることとなった。

ホテル向けレベニューマネジメントサービスの『MagicPrice』は、簡単な操作で毎日の客室料金設定が可能だ。予約状況などホテル料金の検討に必要なデータを自動収集・分析し、AIがおすすめの販売料金を提案する。また、旅行予約WEBサイトへの料金反映まで、ワンストップで行うことができる。

このたびのリニューアルで、競合ホテルの料金や販売状況など、市場分析を行う『ホテル番付』の機能が『MagicPrice』に追加される。これにより、ホテルは市場のデータと自施設のデータを見比べて料金を検討しやすくなる。さらに、サイトコントローラーと連携し、料金設定業務のほぼ全体を『MagicPrice』上で行える。料金提案AIが改善されたことに加え、従来よりもシンプルでわかりやすいUIデザインへと刷新し簡単に操作できるようになった。

リニューアルに伴い、2019年2月頃より『ホテル番付』のサービス名称を『MagicPrice』へと統合する。その理由のひとつに、今後の他業界へのサービス展開の可能性が挙げられる。同社は、価格の最適化ニーズがあるのはホテル業界に限らず、今後さまざまな業界や企業において、価格決定にテクノロジーを用いる機運が高まると考えている。

同社は、“Price（価格）”と“Technology（技術）”を組み合わせた新しいビジネスカテゴリーを「PriceTech」と呼び、多方面にソリューションを提供することを目指すという。「PriceTech」を他の業界へ広げていくことを見据え、その際活用できるコアのブランド名として『MagicPrice』に統一することにした。具体的な事業・サービス展開計画は今後発表していくという。

新しい『MagicPrice』は2018年12月13日より申し込み受け付けを開始し、サービスの利用開始は2019年2月頃より順次可能となる予定だ。『ホテル番付』は“MagicPriceライト”プランとして新たに提供する。名称は変更するがサービス内容や料金に変更はなく、市場分析（エリア需要・販売価格・稼働率）と周辺イベント情報を提供する。“MagicPriceスタンダート”プランではこれらに加え、自施設の販売状況の分析・料金ランクの提案・サイトコントローラー経由での料金反映が可能だ。

新しい『MagicPrice』の導入を決定した「ホテル・アゴーラ大阪守口」の総支配人・伊藤成彦氏は、もともとAIによるレベニューマネジメントシステムに興味があったという。ホテルの裏の仕事は自動化し、ゲストとの関わり合いの時間を大切にしたいと考えていた。同サービスについて「分析の結論だけでなく、根拠までわかりやすく提示してくれるというのはありがたいです。他社に比べ、製品がシンプルであったのも選択の要因です。レベニューマネジメント経験の浅いスタッフにもできる仕組みへと確立し、経験の長いスタッフをできる限りゲスト接点へと注力できれば良いかと思っております」と述べている。

『ホテル番付』を導入していた施設はこれまで通り、あるいは新しい機能を追加してレベニューマネジメントができるようになる。リニューアルした『MagicPrice』は今まで以上に作業量を削減でき、ゲストへのおもてなしなどを充実させる機会を増やせるだろう。また、同社が言うように“価格の最適化”はさまざまな分野においてニーズがあると考えられる。今後どのような新サービスや事業が展開されるか楽しみだ。

■「MagicPrice」公式サイトはこちら。
■「ホテル番付」公式サイトはこちら。

【参照記事】
AIでホテルのダイナミックプライシングを支援する『MagicPrice』がリニューアル 市場分析サービス『ホテル番付』と統合してより便利に

（HOTELIER 編集部）