南海電気鉄道株式会社のグループ会社であるサザントランスポートサービス株式会社は、2018年12月10日より手ぶら観光窓口「n・e・s・t（エヌ・イー・エス・ティー） 関西空港店」を開設する。同窓口は、国土交通省観光庁が推進する「手ぶら観光」サービス拠点として認定を受けている。

「n・e・s・t 関西空港店」は手荷物の一時預かりに加え、南海鉄道の乗車券類を持ちスタッフが常駐している大阪市内のホテルに宿泊するゲストの手荷物を、関西国際空港から当該ホテルまで即日配送する。民泊施設や簡易宿所（ゲストハウス）など、スタッフが常駐していない宿泊施設への配送は行わない。

日本語・英語・中国語に対応し、営業時間は9時～21時まで。9時～14時30分までに受け付けした手荷物を、当日19時以降に配送先ホテルで受け取ることができる。料金は配送申込時に支払い、3辺の合計が115センチメートルまでの手荷物1個につき1,000円、これ以外の手荷物は1個につき1,500円で利用可能だ。3辺の合計が2メートルを超えるもの・自転車・貴重品・精密機器などは取り扱いできない。

同サービスの導入により、スーツケースなど大型手荷物を持つゲストが駅構内や電車内で“手ぶら”になり、快適・便利に南海電鉄を利用できるようになる。南海グループは、「引き続き“手ぶら観光”を推進し、駅・車内の混雑緩和や通路スペースの確保など、すべてのお客さまが快適かつ安全にご利用いただけることを目指していきます」としている。

今後は大阪市内のホテルと提携を進め、提携先ホテルで宿泊したゲストの手荷物を、当該ホテルから関西国際空港まで即日配送する計画だ。また、2019年春までに50のホテルと提携することを目指しているという。

このたびの新サービスのほか、南海電気鉄道は難波駅にて『nest（ネスト）』の一号店を2018年3月29日に開設している。『nest』は、n：No Baggage（荷物なし）、e：Equipment free（装備なし）、s：Service for（サービス）、t：Tourists（旅行者）が由来だ。 同サービスは日本語・英語・中国語・韓国語に対応している。手荷物一時預かりは1個につき1日700円で利用でき、スーツケースやお土産などを宅急便で全国へ発送するサービスも提供する。

国土交通省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、訪日外国人旅行者が手ぶら観光できる環境整備の実現を目指している。日本政府観光局が「手ぶら観光ホームページ」を開設したところ、2017年3月までに約9万人がアクセスしたという。「手荷物を預けたい・配送したい」といったニーズはかなり多いようだ。また、国別では香港・台湾・タイ・アメリカからのアクセスが多いという。

手ぶら観光サービスでは、株式会社ジェイティービー、パナソニック株式会社、ヤマトホールディングス株式会社の3社が連携し、2018年1月5日より『LUGGAGE-FREE TRAVEL（ラゲージ・フリー・トラベル）』を開始した。同サービスは宿泊施設や空港に大型手荷物を配送できるもので、多言語に対応している。個人のスマートフォンから検索し、配送時間や料金の確認・申し込み・受け付け・決済が可能だ。今後は、スキー・スノーボード・ゴルフバッグ・お土産などにも対応できるよう、随時サービスを拡充していくという。

旅行先で大きな荷物を持ったまま移動するのはとても不便なことだ。「n・e・s・t」のように空港で荷物を預けることができれば、ホテルへ行くまで荷物を気にすることなく観光やショッピングを楽しめる。さらに、多言語対応であることも外国人旅行者にとって安心できる点だ。今後も手ぶら観光サービスがさらに増えることを期待したい。

【参照記事】
・南海、関空から大阪市内ホテルへの手荷物即日配送サービス提供
【参照サイト】
・【関西国際空港で“手ぶら”に】大阪市内のホテルへ 手荷物を即日配送します！２０１８年１２月１０日（月）関西空港駅に開設
・手ぶら観光事業 「nest」１号店を難波駅に開設手荷物一時預かり・宅急便の受付を行います 平成３０年３月２９日（木）から
・「手ぶら観光」を支援する「LUGGAGE-FREE TRAVEL」サービス
・国土交通省｜「手ぶら観光」とは

（HOTELIER 編集部）