円安で大手百貨店の免税売上高に底打ちの兆し。海外高級ブランドバックなど好調に推移
為替円安が進んでいることにより、百貨店の免税売上高に底打ちの兆しがあるという。
J.フロント リテイリング(以下Jフロント)の2016年12月の免税売上高は16年2月以来、10ヶ月ぶりにプラスに転じた。客数も前年同月比26%増と大きく伸ばした。客単価については、同16.9%減の5万7000円ではあるものの前月比では9000円増加しているという。広報担当者は「11月中旬から為替が円安傾向となり、客単価に影響している」と述べている。
三越伊勢丹ホールディングス(以下三越伊勢丹HD)では、免税売上高は前年同月比1.4%減とマイナス幅が大きく縮小。14年比では38%増となっている。伊勢丹新宿本店の売上高は0.1%増ながら5ヶ月ぶりに前年を上回り、インバウンドの持ち直しが寄与していると見られている。
昨年12月の売上高速報は、三越伊勢丹HDが前年同月比1.8%減、心斎橋店本館の建て替え工事の売り場面積減の影響があるJフロントが2.3%減、高島屋が0.5%増、そごう・西武が2.3%減だった。大手4社で唯一プラスとなっている高島屋の広報は、「円安や株高の影響もあり、免税売上げや高額品が好調に推移した」と述べている。化粧品に加え、宝飾品などの一般品も前年を上回る売り上げで、高島屋の免税売上高は29.8%増と大きく伸びたという。
百貨店を取り巻く環境に明るい材料は出てきたものの、「景気が一気によくなっている感じではない」(三越伊勢丹)との慎重な味方もあり、この流れがどこまで続くかは各社ともに「トランプ氏の米大統領就任後の動向を見極めたい」(高島屋広報)姿勢ということだ。
【参照】
訂正-12月大手百貨店売上高、円安でインバウンドに底打ちの兆し
(HOTELS.Biz 編集部)