北海道でグランピング、道の駅での車中泊が人気。ホテル不足背景に宿泊の形多様化

北海道で、ホテル並みの豪華なキャンプ「グランピング」や道の駅での「車中泊」が人気を集めているという。

「グランピング」とは、「グラマラス(魅力的な)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語。快適で豪華なキャンプを楽しむことを意味する。河西郡中札内村の農村休暇村「フェーリエンドルフ」では、グランピング専用のテントとコテージを新設して6月から営業を始めた。手ぶらでバーベキュー、テント泊などキャンプの醍醐味を楽しめることから女性客に人気だ。休暇村の西惇夫社長は、「人間が楽しめる究極の遊びは自然にかえること。でも面倒なことは嫌。その両方をかなえられるのがいい」とグランピングの魅力を語り、ブームの到来を実感しているという。実際に予約は順調で、8月は約200件とほぼ満室。国内客のほか中国や台湾など海外客も訪れ、「準備の手軽さから若い女性グループが目立つ」という。

石狩郡新篠津村のホテル「しんしのつ温泉たっぷの湯」でも、グランピング人気に注目しベッドやソファ月の豪華なテント5棟を、隣接する「しのつ公園」に7月から設けた。地元食材と使ったバーベキューなどの夕朝2食、温泉の入浴券なども付いて1人1万5千円。フェーリエンドルフ同様、8月中は予約でほぼ満室だという。

駐車場に自家用車を止めて車内に寝泊まりする「車中泊」は、ホテルとは違った自由気ままさや、宿泊費がかからない手軽さが受けている。週末には100台を超す車が一夜を過ごす道の駅もあり、恵庭市の道と川の駅「花ロードえにわ」では、土曜日の夜には約180台分の駐車場が午後10時を過ぎても8割以上埋まっているという状況が見られるそうだ。持参したカーテンやサンシェードで車内を覆って快適に寝泊まりする工夫をする人も多い。

道内在住者のみならず、本州からの旅行者も「幼いころの秘密基地気分で、ワクワクする」「安上がりで、(チェックインなどの)時間を気にせず楽しめるのがいい」と車中泊を選ぶ人が増えているという。

訪日外国人観光客の数が増加の一途を辿るなか、北海道においても宿泊施設不足や宿泊費高騰などの問題は顕在化している。今後も多様な宿泊の形が注目されていきそうだ。

【参照記事】
・グランピング人気上々 中札内・休暇村 8月予約200件
・道の駅車中泊や「グランピング」人気 ホテル不足も背景に

(HOTELIER 編集部)


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