長野・栂池エリアにホステル「UNPLAN Village Hakuba」2019年12月開業、古民家2軒を改修し約100人収容

白馬観光開発株式会社は2019年11月14日、長野県北安曇郡小谷村栂池エリアの観光活性化を目的に、地域の不動産のリノベーションや宿泊・飲食施設を誘致するなどの街並み整備事業に取り組む「株式会社IKEIKEツガイケ」を設立したと発表した。設立第一弾として、ホステル「UNPLAN Village Hakuba(アンプラン・ヴィレッジ 白馬)」を2019年12月に開業予定だ。

1990年代の栂池エリアは、スキーブームや1998年に開催された国際的な冬季スポーツ大会もあり大きな賑わいをみせていた。街には華やかなファッションに身を包んだ若者が溢れ、スキーだけではなくバーやディスコなどを楽しむ姿が多くみられた。しかし、スキー人口の減少とブーム終焉に伴い栂池エリアを訪れる人口は徐々に減少し、宿泊施設や商店数も最盛期の半分以下に減少している。

現在、栂池を含む白馬エリアでは、冬だけではなくオールシーズン楽しめる“マウンテンリゾート”へ変貌を遂げるべく、様々な観光スポットが誕生し再注目されている。2018年夏には、栂池高原スキー場内にフランスの人気アドベンチャー施設が日本初上陸し『白馬つがいけWOW!』として開業した。家族連れや若者に人気のスポットとなり、開業以降2.4万人を超える来場者数を記録し、グリーン期のスキー場にも観光客を呼込むことに成功した。しかし、白馬エリア全体の観光客が増加する一方で、栂池の宿泊施設は経営者の高齢化や後継者・人手不足・老朽化などの理由から減少が目立ち始め、宿泊客の受け入れ等の新たな課題に直面している。

こうした背景から、宿泊施設の再生やかつての賑わいを取り戻す事業を推進するため、IKEIKEツガイケを設立した。なお、設立にあたり地元索道会社である白馬観光開発や、都内でホステルを運営する株式会社FIKAの協力に加え、NECキャピタルソリューション株式会社より金融面でのサポートを受けている。

「UNPLAN Village Hakuba」は、老朽化した2軒の宿泊施設をリノベーションしたホステルだ。収容人数約50名でレセプション機能を持った宿泊施設(旧プチホテル・ホワイトアベニュー)と、収容人数約40名の宿泊専用施設(旧きざみだ)の総称で、各施設の名称は未定である。どちらも宿泊料金は1人1泊5,000円〜7,000円を予定している。

若年層の外国人観光客をターゲットにリノベーションされ、旧プチホテル・ホワイトアベニューの2階には、カジュアルな洋食プレート提供するレストランを併設する。客室はドミトリールーム、ツインルーム、トリプルルームなど幅広く用意し、2軒で約100人の収容を目指す。また価格も抑えることで若者や長期滞在者、都心から離れて働くワーケーションなど様々な利用動機に対して利便性を高め、気軽に白馬・栂池エリアを楽しんでもらえるようにした。IKEIKEツガイケは今後について、「栂池エリアの宿泊施設の再生や飲食施設の誘致に取り組み、魅力溢れる街並み作りを行うことで、様々な地域活性化に貢献してまいります」と述べている。

「UNPLAN Village Hakuba」のコンセプトを開発し、予約受付・客室管理・食事提供など運営を担うのはFIKAだ。都内で最大級のホステル「UNPLAN Shinjuku(アンプラン・新宿)」や、「UNPLAN Kagurazaka(アンプラン・神楽坂)」を手掛けている。『UNPLAN』ブランドは手頃な価格でありながら、洗練されたデザイン性や清潔さ、高いホスピタリティ、多国籍でフレンドリーなスタッフによるサービスなどから海外のバジェットトラベラーを中心に人気を博し、ホステルならではの宿泊体験を提供している。

「UNPLAN Village Hakuba」では、国内外の観光客の国際コミュニケーションの場となるよう、FIKAがこれまで培ってきたホステル運営のノウハウを活かし、栂池ならではの楽しみ方やイベントなどを積極的に展開していく予定だ。

白馬観光開発はこれまでも、白馬・栂池エリアの活性化に向け宿泊施設を開発してきた。2018年8月には、ALL信州観光活性化ファンド、NECキャピタルソリューション株式会社、FUNNY株式会社と新会社「自然と伝統の融合した白馬岩岳の街並み活性化株式会社」を設立した。長野県白馬村岩岳エリアの観光資源を再生し、“街並み”全体を一体的なリゾートとして捉え、インバウンドや富裕層などハイエンドの観光客にも満足してもらえる「高級古民家リゾート」を開発・運営することを目的としている。

また、2018年9月には株式会社スノーピークと共同で株式会社スノーピーク白馬を設立しており、スノーピークの新業態となる商業施設を2020年春に開業予定だ。白馬山麓エリアの魅力をオールシーズン手軽に味わえるようになるとともに、リゾートでの多様な時間を楽しめるよう、ショッピングやキャンプ用品レンタル、飲食、イベントなど様々なコンテンツを展開する。白馬の雄大な自然の中で、スノーピークが提案する野遊びの楽しさを統合的に体感できる、店舗と野遊びが融合する新たな“体験型施設”だ。また、世界的建築家である隈研吾氏が意匠設計を担当する。

長野県内の観光地延べ利用者数は、1991年の1億764万人をピークに減少傾向にある。善光寺御開帳や北陸新幹線開通により2015年は9,331万人(前年比+10.8)となったが、以降は9,000万人に届かない数となっている。2018年は8,710万人(同ー2.8%)だった。「UNPLAN Village Hakuba」が開業する小谷村(栂池高原)の観光地延べ利用者数は52.8万人(同+1.3%)で、延べ利用者数50位のうち2018年は44位となった。日帰り客数・宿泊客数はおよそ半分ずつである。

FIKAが手掛けるホステルの平均客室稼働率は約90%と好調に推移しているといい、宿泊予約サイトの口コミスコアも10段階のうち平均的に9.0前後の評価を得ている。「UNPLAN Village Hakuba」も多くのゲストが訪れ地域を盛り上げる宿泊施設となり、白馬・栂池エリアの観光客の増加に繋がることを期待したい。

■「UNPLAN」公式サイトはこちら

【参照記事】
・長野県白馬山麓エリアの栂池に、地域活性化に取り組む新会社を設立 第一弾は、人気ホステルブランド「UNPLAN(アンプラン)」を展開
・〜古民家などの観光資源を再生し、自然と伝統が融合した白馬岩岳の“街並み”を「高級古民家リゾート」に〜 白馬観光開発、山の開発とも連動した滞在環境を整備する新会社を設立
・白馬観光開発、スノーピークと共同で白馬村の地域活性化を推進する『株式会社スノーピーク白馬』を9月3日設立〜オールシーズン楽しめるマウンテンリゾートの強化へ〜
・〜オールシーズン楽しめる“マウンテンリゾート白馬”の中核拠点へ〜 スノーピークと共同で店舗と野遊びが融合する新たな「体験型施設」を2020年春に開業 世界的建築家の隈研吾氏が施設の意匠設計を担当
【参照サイト】
・長野県|平成30年 観光地利用者統計調査結果

(HOTELIER 編集部)


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