ニセコ地区初の大規模商業施設「アルクザカストリート」が2019年春に開業予定
香港の不動産開発会社であるメトロポリー・ホールディングス・リミテッドが、北海道のニセコ地区・倶知安町(くっちゃんちょう)に、コンドミニアム(分譲別荘)とホテル、ショッピングモールを備えた複合施設「アルクザカストリート」を建設することがわかった。
同社は上海近郊の崑山市(こんざんし)で物流倉庫を運営しており、景徳鎮市(けいとくちんし)ではオフィスと住居の複合施設の開発などを進めている。同社が日本で事業を展開するのは「アルクザカストリート」が初めてだ。同施設は2019年春に本格的に着工し、2022年の開業を目指している。事業費は約230億円で、後志(しりべし)管内のニセコ町を含めたニセコ地区では、初めての大規模商業施設となる。
施設はニセコグラン・ヒラフスキー場の南約100メートルに位置し、敷地面積は約3ヘクタールだ。緩やかな勾配のある長さ約200メートルの歩行者専用道路の両側に、4~6階建て・計13棟を建設する。コンドミニアムは170室、ホテルは106室設ける。コンドミニアムは2019年後半に分譲販売を開始する予定だ。価格は未定だが、1室数億円程度になるとみられる。
下層階には60~80店の店舗が並ぶ予定で、レストランや服飾店、薬局などの誘致を想定しているという。同町のリゾート地区では高級別荘などの開発が相次ぎ、外国人滞在客らを対象とした品ぞろえを図るようだ。施設内には屋外スケートリンクや、250台分の地下駐車場も造成する計画である。
「アルクザカストリート」が開業するニセコ地区では、ホテルなどの開発が相次いでいる。倶知安町にあるコンドミニアム「四季ニセコ」が『ハイアット』ブランドとしてリニューアルし、2018年11月に開業予定だ。同施設は香港企業が所有しており、長期滞在客向けに各部屋に台所などを備えている。なお、ハイアットの北海道進出は同施設が初めてである。
さらに「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」も2019年に開業予定だ。同施設は香港の不動産開発会社であるパシフィック センチュリー プレミアム ディベロップメンツと、ハイアット ホテルズ アンド リゾーツがホテル・レジデンス運営受託契約を締結し、ホテルと日本初のパークハイアットレジデンスを併設する。このほか、香港のザ・パビリオンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツが大型複合リゾートを建設し、2019年冬までにホテルと分譲別荘を完成させる。マレーシアのYTLホテルズも、2020年までに富裕層向け宿泊施設を建設予定だ。
2019年開催のG20首脳会合に併せて行われる閣僚会合のうち、観光大臣会合は倶知安町で行われる。倶知安町長の西江栄二氏は「世界的な国際リゾート地である倶知安の更なる観光地、投資先としての魅力を世界中に伝え、倶知安の一層の発展に繋げていきたい」と述べており、今後ますます注目が集まるエリアになりそうだ。
【参照記事】
・ニセコに初の大規模商業施設 香港企業、22年開業へ
・香港メトロポリーHD、北海道・倶知安に複合施設
・パウダースノーのニセコ初のコンドミニアム付大型複合施設開発「アルクザカストリート」
【参照サイト】
・倶知安町|G20観光大臣会合開催について
(HOTELIER 編集部)