日本郵政、野村不動産を買収へ。2兆円超の不動産資産を保有

日本郵政は、野村不動産ホールディングスの買収に向けて本格的な検討に入ったことが明らかになった。去年の秋頃、野村不動産の33%余りの株式を保有している証券最大手、野村ホールディングスとの間で調整を進めていた。日本郵政としては株式の過半数を取得し、子会社にすることを目指す方針。まずは一部の株式の取得にとどめる形で資本提携を結ぶことも選択肢として検討しているという。

今回の買収で、不動産業界大手の野村不動産が持つ不動産開発や投資ビジネスのノウハウを取り込むことで、全国にある郵便局の土地などを有効活用して不動産事業を収益の柱に成長させたい方針だ。

これまで日本郵政は、2012年、東京駅前の郵便局を商業施設などが入るビルへと再開発したり、2016年6月に名古屋駅前に新たな商業施設を開業するなど、不動産事業も行っている。また、他の不動産会社などとの共同で分譲マンションの事業や、単独事業で賃貸住宅事業にも乗り出している。現在、全国に2万4,000以上の郵便局を展開している日本郵政は、国内で2兆円を超える規模の不動産の資産を保有しており、それをいかに有効に活用するかが課題となっている。

訪日外国人観光客増加により、ホテル事業が活況を呈している昨今、野村不動産は4月11日に開いた記者懇親会で明らかにしている。三井不動産は中長期滞在型の高級ホテル「ザ セレスティンホテルズ」を京都市や東京・銀座などに今秋開業する予定、住友不動産は羽田空港直結のホテルを計画しているなど、不動産会社のホテル事業への参入が盛況だ。今回の買収で、今後のホテル事業への影響もありえるだろう。

【参照】
日本郵政 野村不動産を買収へ
野村不動産 ホテル事業に参入

(HOTELIER編集部)


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