民泊新法施行控え、リゾートマンションでの民泊開業に町が制限要望。新潟県湯沢町
バブル期に開発、分譲されたリゾートマンションが民泊として運用される動きがある新潟県湯沢町では、住宅宿泊事業法(民泊新法)施行を控え、田村正幸町長らが米山隆一知事に同町での民泊開業を制限する県条例の制定を要望したという。
現在254の宿泊施設があり、約2万人の観光客が収容できるが客室稼働率は平均21.4%(2016年)と低迷する湯沢町。町は、来年6月に施行される方針の民泊新法でさらに経営状況が厳しくなると予想。「宿泊施設がこれ以上、供給されると、町の経営基盤は崩壊する」と危機感を訴えた。
町内にあるリゾートマンションは58棟、1万4,695戸を超える。ほとんどがバブル期に開発され当時は東京の物件とさして変わらない価格で販売されたものだが、現在では10万円という値段で売りに出されいるものが何十戸もあるという。
500戸規模の物件や、共用施設には立派なエントランスロビー、スナック食品などが購入できる小さなショップやトレーニングマシンを備えたスポーツジムが完備されているものも多い。ある物件は、住戸面積約32平方メートル、管理費等1万5,100円、固定資産税は年間2~3万円で年間維持費は20万円程度となっており、民泊として活用しようとする動きが出るのは自然なことだろう。
すでに同町では違法な民泊の増加で騒音やゴミ出しのトラブルが発生しており、米山知事は条例制定について「よく状況を確認して検討したい」と述べたという。民泊新法の施行は日本経済にインバウンドによる恩恵をもたらす一方で、既存の宿泊施設の存続を脅かす存在にもなり得るのだろう。
【参照記事】
・湯沢での「民泊」開業に制限を 町長、知事へ条例制定要望
・10万円で買える豪華マンション続出!「ホテル化」で多額収益も可能?
(HOTELIER 編集部)