電通、「ジャパンブランド調査2016」を実施。地方ブームのさらなる加速が明らかに

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:石井 直氏)が、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業における顧客企業の活動支援を目的に、「ジャパンブランド調査2016」を実施したと発表した。

【調査詳細】
期間:2016年4月25日~5月18日
対象:20の国、及び地域=中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
対象者条件:各国中間所得層以上の20~59歳の男女
サンプル数:地域ごとに200名、計4,000名

東アジアで顕著な東京離れ

行きたい日本の都道府県は、1位は東京都、2位大阪府、3位京都府、4位北海道、5位沖縄県の順。東京都のトップは不動であるが、東アジアでは訪日リピーターの増加を背景とした東京都離れが前年より進み、中国におけるランキングでは2位、(前年2位)、香港では5位(同3位)、韓国では3位(同3位)、台湾では4位(同3位)に位置している。ASEANにおいても、タイでは北海道が東京都を上回った。

地方ブームのさらなる加速

地方で体験したいことのランキングトップは「温泉」。次いで「自然」「桜」「日本式庭園」「庶民的なローカルフード」と続くほか、「祭」「島」なども挙げられており、多様化が進んでいる。「温泉」や「自然」は全ての国や地域で全体的に高い順位となっているが、それ以外は「日本庭園」が欧米エリア、「世界遺産」がイタリア、「和牛」が香港で人気が高いなど、国・地域によって異なる傾向にある。

都道府県ごとの魅力の理解が進む

地方で人気が高い北海道と沖縄県に注目すると、北海道では「温泉」「桜」「雪」「紅葉」など自然や四季の体感に加え、札幌ラーメンの影響か「ラーメン」への関心が高い傾向。一方沖縄県では、「海」「島」などに加え、「伝統的な郷土料理」「庶民的なローカルフード」といった”食”や「歴史を感じさせる町並み」「地元の人と交流できる商店街」といった”町の雰囲気”、「世界遺産」や「戦跡(第二次世界大戦跡)」といった”史跡観光”、「地元の風土や文化を生かした民宿」が挙がる。これらは、いずれも日本人が北海道や沖縄に感じるものとほぼ同じ。都道府県ごとの象徴的な観光地や文化・体験などの魅力が海外へも伝わり、理解が進んでいると考えられる。

多様化する訪日外国人のニーズ

年間訪日外国人数が2000万人を超えたとはいえ、「ジャパン・ブランド」は外国人に認識され始めたばかりというのが現状である。今後日本への理解がより深まるとニーズは多様化する。また再訪の割合が増えたり、外国人の国別の割合が変わったりするとニーズは変化し、活性する地域も変化していくだろう。「爆買い」のブームを商機ととらえた百貨店や免税店が軒並み赤字に転落しているように、短期的な訪日外国人のニーズやブームをとらえて事業展開させることは大きなリスクを伴う。訪日外国人をターゲットとする事業戦略は今後ますます難易度が上がっていくとみられる。

【参照】
電通、「ジャパンブランド調査2016」を実施

(HOTELS.Biz 編集部)


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