PicoCELA、LANケーブルを大幅に削減する無線LAN親機『PCWL-0410』を2019年3月より販売開始
スモールセル向け無線バックホール技術のパイオニアであるPicoCELA(ピコセラ)株式会社が、優れた耐環境性を有する法人仕様の無線LAN親機『PCWL-0410』の販売を、2019年3月より開始することが分かった。
同社は2008年の創業以来、世界最高の無線バックホール技術の開発と実用化を目指してきた。無線バックホールとは、無線基地局やアクセスポイントをインターネット回線へ接続するためのネットワークのことである。同社は広帯域・低遅延・動的環境下での高い安定性を実現した、無線多段中継によるバックホール技術を開発した。日本国内で100サイト・3,000台以上の運用実績を有し、年間延べ利用者数は100万人に達する。多くの導入ヶ所で7割以上のLANケーブル削減に成功し、IoT普及を促進させる技術の一つとして注目されている。
IoTの普及に伴い、雨風に晒される屋外や粉塵が舞う工場、広大なカバーエリアが必要な場所など、過酷な環境下での無線LANエリアの整備に対する需要が高まっている。広大な対象サービスエリアに多数のIoTデバイスを配置するには、複数の無線LAN親機の設置が必要だ。しかし各親機にはLANケーブル配線が必要であり、断線防止や美観維持のためにLANケーブルを地下埋設しようとすると、膨大な費用と工期を要する。
このたび発表された『PCWL-0410』は、同社が長年培ってきた無線バックホール技術を搭載した法人仕様の無線LAN親機だ。親機同士が互いに無線中継する機能を持っており、LANケーブル配線量を大幅に削減できる。例えば、東京ドーム5個分に相当する広さのスキーゲレンデでは、92%ものLANケーブル配線を削減したという。最大ベアラレート1.3Gbps(5GHz帯)、200台の端末同時接続数、7dBiのハイゲインアンテナの標準搭載、最新のセキュリティ規格・WPA3-SAE対応、ランディングページ表示機能など、法人仕様の無線LAN親機にふさわしい高機能・高性能を備えている。
加えて、余裕あるCPU・メモリ・8GBものストレージを搭載し、エッジコンピュータとして利用者独特のさまざまなアプリケーションの実装やカスタマイズが可能だ。同社の認定開発パートナープログラム「PCD(PicoCELA Certified Developers)」により、利用者の開発を支援するという。このほか、壁や支柱への恒久的な設置、三脚などによるテンポラリーな設置にも対応可能な「3wayアタッチメント」を標準装備している。
また、屋内モデル『PCWL-0400』と完全相互接続性を担保しており、屋内に設置した『PCWL-0400』と屋外に設置した『PCWL-0410』を、シームレスに同社無線バックホールで連携できる。例えば、ホテル館内に設置した『PCWL-0400』と、屋外の庭・プール・駐車場などに設置した『PCWL-0410』が、LANケーブル配線なく無線バックホールによって連携し、広範囲な無線LANエリアを屋内外にわたって形成できるという。
さらに、中央管理の可視性と制御を備えた、リモートノード管理とネットワーク監視のためのクラウドマネージメントシステム『PicoManager』により、屋内モデル『PCWL-0400』をどこにいても管理できるという。同システムが提供するさまざまな分析機能により、無線LANエリア導入後の細かなメンテナンスもできる。PCDプログラムの下、利用者独自のエッジクラウド連携ソリューションの展開も可能だ。
このように、多くの機能と利便性を備えた『PCWL-0410』を利用することで、同社は以下のような用途に活用できるとしている。
・工場、製造現場、倉庫などの無線LAN化
・イベント会場や屋外スポーツイベントでのアドホック型カメラネットワークなど
・大規模商業施設や大規模ホテルの屋外と屋内を配線無しで接続し、広い無線LANエリアを提供
・ショッピングモールの館内と駐車場とをシームレスに接続し、空きスペース情報などを提供
親機同士が無線中継する機能を持ち、配線に必要だった費用の削減や工期の短縮を図れることも、導入企業にとってメリットとなる。今後さらにIoTが普及していくなかで、広範囲で無線をスムーズに接続できる『PCWL-0410』を活用しない手はない。
【参照記事】
PicoCELA(ピコセラ)、LANケーブルなしで広大な屋外無線LAN環境を構築できる無線LAN親機『PCWL-0410』の販売を開始
【参照サイト】
PicoCELA株式会社|特徴
(HOTELIER 編集)