【新型コロナウイルス関連】北海道の宿泊者10月は3%増、北海道が恐れる「GoToロス」
日本旅館協会北海道支部連合会は10日、北海道内110宿泊施設の10月の宿泊実績を発表。
国内客の延べ宿泊者数は前年同月比3%増えた。新型コロナウイルスの影響で訪日外国人客は落ち込みが続くが、国の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業を追い風に国内客が回復してきている。
国内客は14地域のうち、11地域で前年を上回った。伸びが最も大きかったのは35%増の「知床・ウトロ温泉・岩尾別温泉」。
同地域の宿泊施設からは「(Go To トラベルの)東京解除で何とか形になった」「Go To トラベルを絡めた本州からのツアーが急増した」との声が上がった。
「根室・標津・川湯・摩周温泉」が29%増で続いた。Go To トラベルに加え、延期していた道内の修学旅行が増えたことも国内客増加の理由と言える。
10・11月は夏と冬のハイシーズンにはさまれており、例年ならこの季節は最も観光客が少ない閑散期である。
例年であれば修学旅行や社員旅行など団体客への依存度が高いが、新型コロナウイルスの感染拡大で夏場に旅行を控えた旅行者も多く、札幌などの観光地ではGo Toトラベルのお得感に引かれた観光客が東京などから殺到している。部屋数の少ない高単価の宿を中心に予約は埋まりつつある。
好調の一方で、例年ならハイシーズンのはずの2月の予約が落ち込んでいる。インバウンドの激減と並び、「Go To トラベル」キャンペーンの期限とされる1月末を境に予約数ががた落ちする懸念が浮上している。
道内では連日100人超の新規コロナ感染者が確認され、「第3波」ともいえる状況が続いている。鈴木直道知事は感染拡大が続いた場合には再び外出自粛を求める可能性も示唆しており、観光の回復とどちらを優先するかという難しいかじ取りが当面は続きそうだ。